3月17日、東京科学大学(Science Tokyo)大岡山キャンパスHisao & Hiroko Taki Plazaで「2級アクセシビリティリーダー」の資格を取得した学生と教職員への認定証授与式を行いました。
資格取得に先立っては「アクセシビリティリーダー育成プログラム(ALP)」という多様性社会におけるさまざまなアクセシビリティを推進できる人材の育成を目的としたオンデマンド形式のプログラムを受講します。ALPを修了した受講者は希望により、オンラインで実施される資格認定試験を受けることができます。
本学では学生支援センター 学生相談支援室 バリアフリー支援室にてALPを開講しており、「2級アクセシビリティリーダー」の資格取得が可能です。2024年度は学生14人、教職員21人の合計35人が資格を取得しました。

授与式ではプレゼンターの平井室長から、統合後初のアクセシビリティリーダーとしての活躍へ、期待の言葉が贈られたほか、資格取得学生を対象とした全国規模の研修会「アクセシビリティリーダーキャンプ」に参加した岡田理子さん(工学院 機械系 修士課程1年)より、キャンプ報告も行われました。


授与式後は資格取得学生を対象としたワークショップ「手話に親しみ、支援機器を体験しよう」も開催され、参加した10人の学生は実践を通して学びを深めました。
前半は黒澤穂月さん(生命理工学院 1年)が手話の講師となり、簡単な手話を学びました。後半はTaki Plaza大階段へ移動し、エアーストレッチャー(自吸式万能担架)での階段搬送を体験しました。


アクセシビリティとは
「利用しやすさ」や「参加しやすさ」を意味し、障害の有無や身体の特性、年齢、言語、文化などの違いによらず、多様な誰もが「利用しやすいか」「参加しやすいか」といった文脈で議論される概念です。情報、サービス、製品、環境等において、どれだけ多くの人にとってアクセシブルかは、重要な視点として、昨今ますます注目が高まっています。
アクセシビリティリーダーとは
ALPを実施するアクセシビリティリーダー育成協議会は、アクセシビリティリーダーについて「障害の有無や身体特性、年齢や言語・文化の違いに関わらず、情報やサービス、製品や環境の利便性を誰もが享受できる豊かな社会を創出する知識・技術・経験とコーディネート能力を持った人材」と定義しています。
認定証授与式に参加したアクセシビリティリーダーのコメント
- 今まで生活してきた中での知識、高校や大学で学んだ知識に加え、全く別の内容まで包含されて学ぶことができたのは良い機会でした。無知の知の自覚は難しいものですが、今回の学習で僅かではありますが知ることができたのはとてもよかったです。
- まだまだ自分の知らないところでいろいろな取り組みがされていたり、知らなかった障害について学んだりして、物事を始める時には多様な環境・利用者を想定するべきだと感じました。また、日常的に使っているものが様々な背景を考えられて作られていると知りました。
- アクセシビリティについて、様々な観点があることを学びました。また、アクセシビリティとその周辺の言葉の定義についても整理することができ、非常に勉強になりました。
- アクセシビリティを学んだことで、今までなかなか見えていなかった、認識しづらかった、多様な利用者対応について具体的に思い描くことができて、自分の見えている世界が非常に広がったと感じました。今後の業務にも確実に活かせる、大変良い学びの機会をいただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです。
- 受講も試験の受験についてもすべてがオンラインで完結し、業務外の時間を利用して自宅で進めることも可能なプログラムだったことも受講を後押ししました。自分のペースで勉強を進めていくことができてとてもやりやすかったです。
本学でのALP実施は2024年度で5年目となり、これまでの受講者は200人を超えています。ALP受講を通じて言語や文化、環境、ジェンダー、年齢、障害の有無等に関わらず誰もが「利用しやすい」「参加しやすい」とは何か?を考えられる人材を育成し、多様な人が過ごしやすいキャンパス作りを目指します。
- 参加者の職名、所属、学年は全て開催当時のものです。
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更新履歴
- 2025年6月3日 本文の編集を行いました。
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